2025年3月28日
入国審査官に、30Sドルを渡そうとした中国人男性に禁錮3週間の判決
シンガポール・チャンギ空港で入国審査官に賄賂として30Sドルを渡そうとした中国人男性に対し、3月27日、禁錮3週間の判決が言い渡された。
被告の魏世山(42歳)は、汚職防止法違反の罪で有罪を認めた。検察によれば、魏被告は2024年8月、勤務先企業の業務対応のためシンガポールを訪れたとされるが、職業や企業名の詳細は明らかにされていない。
チャンギ空港の入国審査で顔認証に失敗した魏被告は、係官に滞在目的を尋ねられ、「観光で10日間滞在する」と虚偽の申告をした。しかし、入国カードには29日間の滞在予定と記載されていたため、不審に思った係官は被告を待機室へ誘導。その後、魏被告は実際には仕事のために訪れたことを明かした。
入国拒否を恐れた被告は、係官に「コーヒーマネーをあげる」と言い、財布から30Sドルを取り出して渡そうとした。係官はこれを拒否し、被告はその場で逮捕された。
検察側は「シンガポールの汚職に対するゼロ容認の姿勢を維持するため、抑止力ある判決が必要である」と述べ、禁錮3〜4週間を求刑した。
弁護側は、被告に言語障害があり意思の伝達が困難であったこと、また「コーヒーマネー」が慣習的なやりとりと誤認していたと主張。30Sドルという少額であった点も考慮されるべきと訴えた。
シンガポールでは、金額の大小にかかわらず賄賂行為は厳しく処罰されることが改めて示された。