2025年4月2日
シンガポールで「ジブリ化」ブーム ChatGPTで自分がアニメキャラに変身
シンガポールでは、ChatGPTの新機能を使って自分の写真をスタジオジブリ風に変換するブームが巻き起こっている。3月26日にOpenAIが公開した画像生成ツールにより、多くの市民が『となりのトトロ』や『千と千尋の神隠し』といった名作の登場人物のような姿に“変身”し、SNS上に画像を投稿している。
シンガポール・フライヤーやアートサイエンス・ミュージアムといった観光名所も、ジブリ風に描かれた画像がシェアされているほか、ローカルメディア「SGAG」は、過去のニュースや政治家をジブリ風に再解釈。総選挙を控えたタイミングもあり、政治風刺のジブリ風イラストも話題となっている。
風刺画家のケント・ラウ氏は「ジブリ化されると人は優しく、美しく見える」とし、「私は醜く描くが、宮崎駿は優しく描く」とコメント。ユーザーからは「本物のジブリ映画を観たことがなくても、このスタイルを見ればジブリと分かる」との声も。
一方で、ジブリの創業者である宮崎駿監督が2016年にAIアートに対し「生命への侮辱」と発言した映像が再拡散され、著作権や芸術性への懸念も高まっている。実際、あるジブリアニメーターが4秒のシーン制作に1年かけたというエピソードも話題となり、AIによる一瞬の生成との対比が注目された。
OpenAIのCEOサム・アルトマン氏は「画像生成のアクセスが過熱しており、スタッフが休めない」とX上で投稿。ChatGPTの利用者数は世界的に急増しており、シンガポールは人口比で最も利用が多い国の一つとされている。