2025年4月4日
モスク襲撃計画の17歳シンガポール人少年、内務省が拘束
シンガポール内務保安局(ISD)は4月2日、少なくとも100人のイスラム教徒を殺害しようと計画していた17歳のシンガポール人少年を、内乱防止法(ISA)に基づき拘束したと発表した。少年は2019年のニュージーランド・クライストチャーチのモスク襲撃事件に影響を受け、国内5つのモスクを標的としていた。
彼はジュロン・ウェスト、クレメンティ、マーガレット・ドライブ、アドミラルティ・ロード、ビーチ・ロードのモスクを攻撃対象とし、金曜礼拝後の信徒を銃撃し、自殺する計画であった。2022年からネット上でイスラム嫌悪や極右思想に触れ、急速に過激化。特に中国系、韓国系、日本系を優位とする「東アジア至上主義」を信奉し、イスラム教徒やマレー系に対する強い憎悪を抱いていた。
少年は銃の入手を試み、海外の売人や3Dプリント銃の製造にも関心を示したが、実行には至らなかった。逮捕後、武器が手に入っていれば実行していたと供述している。
また、ISDはこの17歳の他にも、ISIS戦闘員との結婚を望んでいた15歳の少女を2月に制限令下に置いたことも公表。彼女は殉教を願い、シリアで戦う意志を持っていた。これはISAで対応された最年少の女性事案である。
ISDは若年層の急速な過激化に警鐘を鳴らしており、2015年以降ISAで対応した20歳以下の者は17人に上るとする。そのうち9人がシンガポール国内での攻撃を志していた。法務・内務相シャンムガム氏は「こうした思想に染まった若者は他にも存在する可能性がある」と警戒を促し、市民に早期通報の重要性を訴えた。