2025年4月7日
塩・ソース・インスタント麺にも「Nutri-Grade」表示、2027年半ばから義務化へ
シンガポール保健省は、2027年半ばまでに塩分や脂肪分が多い塩、ソース、調味料、インスタント麺などに対し、「Nutri-Grade」栄養表示制度を義務化すると発表した。対象製品がCまたはD評価を受けた場合、表示が必須となり、特にD評価製品は広告も禁止される。目的は、慢性疾患が蔓延する中で、国民のより健康的な食習慣を促すことにある。
評価は飲料と同様にA~Dの4段階で行われ、Dが最も不健康とされる。新たな表示では、評価に影響した主成分(例:塩分や飽和脂肪)が明記され、消費者の理解を深める工夫もなされる。たとえば、即席麺の塩分がCでも飽和脂肪がDであれば、全体評価はDとなり、飽和脂肪の情報が表示される。
2020年に飲料向けに導入された同制度は、糖分削減に効果を上げており、飲料中の糖分中央値は2017年の7.1%から2023年には4.6%まで減少。今後は塩分と飽和脂肪の摂取抑制も狙う。
製品は23のサブカテゴリーに分類され、それぞれに応じた基準で評価。例として、100gの薄口醤油が塩分4,000mg未満かつ糖分10g未満であればA評価となる。一方、味噌なら塩分3,300mg未満、糖分10g未満、飽和脂肪1g未満がA評価の基準である。
シンガポール人の1日あたりの平均塩分摂取量は3,620mgで、推奨値の2倍近く。外食や家庭料理に使われる塩やソースが主要因とされている。保健当局は、1食分の食材を低ナトリウムのものに変えるだけで、塩分摂取を10~30%削減できると強調する。
現在、塩・ソース・調味料・インスタント麺・食用油の4割がD評価に該当。政府は業界向けに支援金やガイドラインも用意し、段階的な製品改良を促していく方針である。