シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポール株価指数が25年ぶりの急落、8.6%下落で取引開始

金融

2025年4月8日

シンガポール株価指数が25年ぶりの急落、8.6%下落で取引開始

 シンガポールのストレーツ・タイムズ指数(STI)は4月7日、前日比328.20ポイント(8.57%)安の3,497.66で取引を開始し、1999年9月以来25年以上ぶりの下落幅を記録した。これは、米国のトランプ前大統領が関税撤回を拒否し、世界経済の後退懸念が広がったことによるものである。STIはその後やや回復したが、午前10時45分時点でも6.98%安で推移した。
 
 証券投資家協会(SIAS)の創設者デビッド・ジェラルド氏は「STIは、コロナ禍の2020年3月(7.4%下落)や2008年の金融危機(8.3%下落)など、過去の不安定期にも大幅な下落を経験している」と述べた。
 
 今回の下落では銀行株が特に売られ、DBSは9.1%安、UOBは5.5%安、OCBCは6.3%安となった。米国の利下げ観測が銀行収益を圧迫するとの見方が背景にある。
 
 アジア市場全体も大幅下落となり、香港ハンセン指数は10%超、上海総合指数は5.55%、日本の日経平均は一時8%超の下落で取引停止、韓国KOSPIは4.26%、豪ASX200は4.52%下落した。
 
 米国株先物も大幅安で、ダウ平均は1,531ポイント(4%)下落、S&P500およびナスダック先物も4%安となった。
 
 シンガポール通貨は0.2%下落したが、年初来では対米ドルで0.8%高。DBS銀行のバイグ氏は「成長とインフレの見通しが下振れリスクにあり、MASは4月14日の政策会合で通貨の上昇ペースをさらに抑える可能性がある」と述べた。
 
 関税による直接的な影響として、2025年のGDP成長率見通し2.8%が最大0.75ポイント下振れする恐れもある。今後さらに半導体や医薬品に25%の関税が課されれば、シンガポール経済は一層の打撃を受けると警戒されている。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポール株価指数が25年ぶりの急落、8.6%下落で取引開始